なた豆の効果・効能

  • 痔(痔疾患)

    • 痔(痔疾患)

      痔は日本だけでなく、世界中で多い疾患です。統計によると日本人では3人に1人は、痔の治療をおこなっており、検診を行えば約7割の人から痔が見つかるといわれています。
      痔を大きく分類すると、痔核、裂肛、痔ろうの3種類になります。痔にはさまざまな原因がありますが、その多くは肛門部周辺の静脈が圧迫され、血流が悪くなることよって起こります。

      痔核は「いぼ痔」とも呼ばれ、痔核(いぼ)のできる場所によって、内痔核と外痔核に分かれます。
      肛門と直腸の境目(歯状線)の内側にできるのが内痔核、外側に出来るのが外痔核です。痔核は治療しないと、だんだん大きくなり、痔核が肛門の外に出てしまう「脱肛」を起こすようになります。
      裂肛は「切れ痔」や「裂け痔」とも呼ばれます。いわば肛門の外傷で、硬い便が通過するなどして、肛門の外壁が傷つくことで発生します。
      排便の時の痛みや、肛門から出血することでわかります。
      痔ろうは「あな痔」とも呼ばれ、患部から膿が出てくる痔です。痔の中で最も治療が難しいといわれています。
      肛門の周辺の穴に便が入り、細菌感染などを起こして化膿してしまうことが原因です。

  • 痔(痔疾患)について 先生の話

    • 痔(痔疾患)について 先生の話

      崇城大学薬学部特任教授
      薬学博士 村上光太郎先生先生

      なた豆との出会い

      なた豆は、昔から痔に効果があるといわれていました。私がなた豆の効果を知ったのは、小学生の頃。
      小学校の恩師が経験を目の当たりにした時でした。
      先生はずっと脱肛で困り、いろいろな治療を試していましたが効果がなく、半ば諦めていらっしゃいました。
      そんな折、近所のおばあさんが「なた豆を煎じた汁を患部につけて洗浄すると治る」と教えてくれました。
      さっそく、先生が試したところ、ほんの2~3回やっただけで、治ってしまったというのです。
      それ以来、先生は庭先に、毎年欠かさず、なた豆を植えていらっしゃいました。

      「膿とりの妙薬」なた豆の薬効

      その後、私は大学に進み、薬草の研究を始めました。そこで、なた豆についても詳しく研究してみようと思い立ったのです。
      まず、文献をあたりなた豆の効能や有効成分の研究を始めました。その結果、大変興味深いことがわかってきました。
      なた豆には恩師の症例からも見られるように、優れた「排膿作用」「抗炎症作用」「血行促進」などをもたらす効果があります。
      なた豆は「膿とりの妙薬」として民間療法では有名な存在でしたし、痔疾患の治療にも、なた豆の薬効は効果があるらしいことがわかってきました。
      漢方的な考え方ですが、人間の腹部は、陽圧と陰圧でバランスをとっています。なた豆には「腹部の陰圧」をもたらす効果があるようです。
      中高年になって、内臓の代謝が落ちてくると、腹部の陰圧が低下するため、お腹が出てきます。また、お腹が出るだけでなく、胃下垂、ヘルニア、脱肛など、内臓の一部が外に飛び出す病気を引き起こします。さらに陰圧が低下すると、内臓の代謝がもっと落ちてくるので、化膿しやすくなるばかりか、膿ができても、なかなか排出されにくくなってくるのです。
      このような症状に対し、なた豆には腹部の陰圧を高める作用があります。これは他の豆類にはない珍しい働きです。
      それによって、下垂したり、外に飛び出していた臓器が、体内の正しい位置に収まるようになります。
      その結果、膿も排出されやすくなるのです。

      痔疾患に効くなた豆

      痔の中で膿をともなうものに痔ろうがありますが、なた豆は、痔ろうによく効きます。
      また、いぼ痔や脱肛にも効いたという報告があるので、痔全般に効果があると考えられます。
      なた豆の薬効を活用する方法はたくさんありますが、お茶にして飲飲んだり、最初に紹介した先生のように、なた豆の煎じ汁を直接患部につける方法を併用するとよいでしょう。煎じ汁は、なた豆茶を煮だしたものと同じですが、痔ろうや脱肛のときは、400ccくらいの量のなた豆茶を洗面器に入れ、ガーゼなどにたっぷり浸します。次にこの浸したガーゼなどを患部に当て、ていねいに数度繰り返します。これを1日1回行えばよいでしょう。
      脱肛など、人によっては2~3回で治ったケースがみられます。痔ろうではもう少し時間がかかりますが、1週間で治癒したという例もあるほどです。
      合わせて、なた豆茶を飲用すれば、より早い効果が期待できます。



      ※村上光太郎先生は、平成29年4月22日にご逝去されました。
      生前、村上光太郎先生に取材したものです。

  • なた豆を使った患者さんのお喜びの声

    • なた豆を使った患者さんのお喜びの声

      「痔の出血、痛み、腫れなどの症状はすっかり消えてしまいました。」M・Mさん(46歳・男性)

      長い間、痔で苦しんできました。お酒を飲みすぎたり、辛いものを食べすぎると、必ずといってよいほど、肛門から出血したり、腫れたりします。そこで、以前から興味を持っていたなた豆茶を試してみることにしました。最初は半信半疑で試してみましたが、2週間ほどで肛門の痛みが消え、お酒をたくさん飲んでも出血しなくなりました。
      私はなた豆茶を作り置きして、冷蔵庫で冷やし、お茶代わりに飲んでいます。またお酒が好きなので、焼酎をなた豆茶で割って飲んだりもしています。
      とにかく家で飲むお茶はすべてなた豆茶にかえました。

      それから、お風呂に入ったときは、お湯をはった洗面器になた豆のティーバッグを入れ、そのお湯で患部をていねいに洗うようにしました。
      ガーゼを当てたりするなどのめんどうくさい治療は長続きしないので、私は洗うだけにしています。
      これらを始めて約半年になりますが、痔の出血、痛み、腫れなどの症状はすっかり消えてしまいました。
      以前、痔は生活習慣を直さないと治癒しないと聞きました。ただ、私の場合は、相変わらず辛いものを食べ、お酒も飲んでいますが、一度も痔は再発していません。